●●●機精界●●●レグナヴェーダが単一国家として支配する機精人たちの世界。魔法の力と錬金術を融合させ、「本当の命」を得ることを至上の目的としている●●●レグナヴェーダに暮らす機精人たち●●●○フォウス・ヴェーダ高い知性を持つ、支配階級のヴェーダ。外見は人間に極めて近く、肉体も有機物で出来ているが、心臓はなく、 代わりに魔法の力を動力源とした「核」が体の中心に埋め込まれている。 全身には、血液に酷似した魔法エネルギーが流れており、生体としての活動を支えている。むろん、生体であるため、他の種族同様に風邪を引いたり病気になったり、という事もある。 フォウス・ヴェーダは生身に近い体を持つが、誕生の仕組みは生殖ではなく錬金術である。 よって、真の意味での〈親〉が存在するわけではなく、同様に〈家族〉も存在しない。ただし、フォウス・ヴェーダ同士が擬似的な家族形態をとって生活をともにすることは、 さほど珍しいことではない。実際、フォウス・ヴェーダの約30%は擬似家族形態をとって生活しているとも言われている。 その一方で、家族形態をとらず、幼少期を研究施設で過ごした後、 独立して生活をするフォウス・ヴェーダも少なくはない。 また、0歳児の状態で誕生するフォウス・ヴェーダもいれば、 成人した状態で誕生するフォウス・ヴェーダもいるため、 全てをひと括りに説明することは困難である。フォウス・ヴェーダたちの顔には、「核」の作用によって、 生体活動を続けている限り消すことのできない、刺青様の痣が浮き出している。フォウスの中にはその痣を「偽者の命の証」として忌み嫌う者も多い。○ナノス・ヴェーダフォウス・ヴェーダによって造られた、労働階級のヴェーダ。見た目はフォウス・ヴェーダと同じく人間に近いが、その肉体は無機物で出来ており、 完全な鋼鉄のアンドロイドである。顔と首の継ぎ目に「縫い目」のようなものがあるのが特徴。 製造の方法は、魔法練成をベースにした魔法テクノロジー。 ○バグス廃品やジャンクの類から作られた、ナノス・ヴェーダよりも更に下位の機精人。知能は殆ど無きに等しく、命じられた作業内容をひたすらにこなすのみの存在。 ロボット型や人型など、用途に合わせて様々な種類が存在する。 製造の方法は、魔法練成をベースにした魔法テクノロジー。●●●精人の生まれ方●●●機精人は生殖によって生まれるのではなく、錬金術によって誕生する。 錬金術を用いて〈創り出す〉という意味においては、フォウス、ナノス、バグスともに同様であり、 それ以外の方法で機精人が誕生することはない。 また、その誕生のタイミングは「機精界の総意」と呼ばれる集合無意識によって決定される。 フォウス、ナノス、バグスではそれぞれ元となる材料が異なる。 フォウスは全身が生体で構成されるため、使う材料もそれに準じたものとなる。ナノス、バグスはともに鋼鉄の体を持つが、ナノスが純度の高い上質な材料を用いるのに対し、 バグスは廃品などのジャンクから生み出されることが多い。 材料を揃え、錬金術で体を構築する際に動力源となる〈核〉が埋め込まれる。ナノスやバグスを創るための魔法式は比較的一般的に知らされており、 ソレンティアで魔法を学んだ者であれば、大抵の者は使うことが出来る。式の内容は他の魔法同様、〈材料〉+〈魔法式〉という形になる。一方、フォウスを創るための魔法式はレグナヴェーダでも最高ランクのトップシークレットとされ、 一般の機精人たちがその内容を知ることはできない。 また、ソレンティアでもフォウス・ヴェーダを創るための魔法については学ぶことは出来ない。フォウス・ヴェーダを創るための魔法式を知るには、ソレンティアを卒業した後、レグナヴェーダの研究機関に入所し、一定の地位まで上り詰める必要があるとされている。 ●●●研究機関での管理●●●フォウス・ヴェーダの管理は巨大な研究機関で行なわれている。 研究機関は、フォウスの身体構造を把握するための研究と、確実な成長のために存在している。 おおよそは自我の獲得前に研究機関を出ることになるが(出荷)、 免疫や身体的に問題のある個体は長期間滞在せざるを得ない場合もある。そういった個体達は「自分達は研究所で育った」という認識を持っている。 もちろん、そのまま研究機関に配属されるフォウスも存在する。 研究者は上層部からの許可無くフォウスを開発することは出来ない。 個体の自我については、人工物であることを意識しすぎるものから、まったく気にしないものまで様々。 ただし「命が欲しい」という抽象的な強迫観念は消えることがなく、それに基づいた哲学・文学も存在する。 どんなに「自律している状態は他の生命体が生きているのと同じ」と仮定しても、強迫観念は消えることが無い。 ●●●ソレンティアの職員として●●●現在中層階の職員などにはナノスが多く採用されている。機精界では魔法の素質をもったナノスに労働用機精人としての専門プログラムを受けさせており、成績次第でソレンティアに職員として迎えられる。 ●●●機精界の基礎データ●●●○平均寿命(フォウス・ヴェーダの場合)男性:135歳/女性:150歳○学校生まれながらにしてある程度の知能は与えられているため、学校と呼ばれるようなものに通うことはない。ただし、〈性能〉をバージョンアップさせるための専門施設は存在し、そこであらゆる知識や情報を〈学習〉することで、フォウス・ヴェーダとしての完成度を高めることができる。●●●機精界の文化●●●文明の成熟度は四つの世界の中で最も進んでいる。日常生活のあらゆる面に、最先端の魔法テクノロジーが応用されており、そういったものが全く干渉していないものを探す方が難しい。人間界の50年先をゆく技術が日常的に使われているといっても過言ではない。一方で、他の世界に見られるような土着的な文化はほとんどなく、祭事なども、形式的なもの以外は、あまり催されることはない。 ○カルディアの祈り小さなランタンを川に流し願い事をするという 祭事ではなく機精界のある地域に古くからある風習。 装飾にカルディア石と呼ばれる輝石が使われるため この名前がついたとも言われているが正式な由来は不明。 フォウス・ヴェーダが熱心に祈る姿が多い。 彼らは何を願うのか… ●●●機精界の宗教●●●土着の文化がほとんど見られない機精界では、精霊や神を祀る習慣もあまりなく、命とも呼べる〈核〉を生み出す魔法テクノロジーを、唯一絶対のものとして捉える傾向が強い。